看護業務の中に採血がありますが、働く現場による経験なので採血が上手で当たり前ということはないです。
どうも採血は苦手という方は次の方が多いです。
- しばらく看護業務から離れていた方
- 配属先で採血業務が少なかったため経験が浅い方
単に苦手なのではなく経験が浅い、それだけです。
採血の経験が浅くても看護師に大切な観察力に優れた方も沢山います。
また「看護業務は採血ができないと看護師としてやっていけないんじゃないか?」
そう不安に思ってらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか?
そんなことはないですよ。
殆ど採血なしの職場もあります。
採血業務がほとんどない職場を紹介していきますね。
訪問入浴看護師
介護職員さんと共にチームになり利用者様のご自宅に訪問して入浴介助のお仕事です。
バイタルチェック、PTの様子をみて入浴できるか?不可の判断。
状態によってはケアマネさんに連絡。
処置が必要なPTには入浴後おこなう(褥瘡、掻破などの消毒、軟膏塗布やガーゼ交換)。
観察、入浴の記録。
どの地域でもニーズが高まり一日に5〜8件の訪問をするので体力が必要ですが
利用者さまやそのご家族からの感謝の声にやり甲斐を感じ続けている看護師さんも多いですよ。
学校(保健室)
怪我の応急処置、体調不良の学生さんを一時的に収容したり、観察記録があります。
必要に応じて(転倒などによる頭部打撲、一時的な意識消失など長時間の観察が必要な時、改めて病院受診の必要性がある時など)担任の先生やご家族への連絡をします。
健康相談や悩み相談、学生さんのサポート等にも対応します。
企業の看護師(産業看護)
従業員の健康相談やサポート、怪我などの応急処置。
会社での勤務になるので定時で帰れます。
土日祝日に休みもあるので体力の負担も軽いため人気です。
企業検診の結果について相談をされたり意見を求められることがあります。
ツアーナース、イベントナース
決められた一定の期間で参加者様がスムーズに旅行やイベントに参加され楽しめるよう観察をする。
怪我や気分不良がある方には対応をします。
重篤な場合は現地での救急搬送や医療施設を受信するなどの判断や観察業務がメインです。
デイサービスセンターやデイケア
介護施設内、住居する地域が行うサービスがあります。
半日〜夕方まで、ご高齢者をお預かりする間、利用者様が安心して楽しんでいただけるためのサポートをします。バイタルチェック、スタッフさんと協力のうえ、必要ならスタッフさんへの指示出しもします。
PTのデイサービス内での様子やご家族様に伝えたいことなどを記録します。 時にはご家族様より質疑応答があることもあります。
機能回復(リハビリ)を目的としたサービスもあります。(男性看護師は歓迎されます。)
採血行為は看護師の判断でできない為、現場にドクターが在中していなければ採血はできません。
ですからこれらの現場は看護師単独での業務になります。
関連記事:クリニックは採血が苦手な看護師が多い?下手でも働けるの?
少しは採血があっても大丈夫な方向けの職場
採血が得意、というわけではないけど
少しだけなら採血の業務があってもいいかな、と思える方むけの職場を紹介していきます。
治験(院内企業)コーディネーター
これから世に出る新薬の臨床研究やデータ入力をします。
派遣先(主に病院)に出向き、治験がスムーズに行われるよう治験担当者、医師、看護師と治験内容の確認をします。
また治験をうけるPTへの資料作り、規約の説明や配慮、スケジュール管理などもを重要な業務です。
美容(整形)皮膚科
脱毛をメインとした美容施設は採血行為は少なめです。
オペがある場合はオペ前の健康状態や感染症のチェックがあります。
近年はアンチエイジングによる点滴、静注が多くなってます。
小児科
採血はほとんどドクターがされるとこがが多いです。
しかし忙しい時に聞き分けのいいお子さんには看護師が採血を行うことがあります。
(小児科のドクターは採血スキルの高い方が多いです)
大学病院の病棟
ドクターの研修に伴い採血は少なめですが全くではないです。
ヘルプで呼ばれることもあります。
精神科病院
内服管理、副作用管理のデータ収集の為の採血(かなり少なめ)PTとのコミュニケーションを重視し観察力が必要になる業務です。
ココロの病気ですから採血データと一致しないこともある為、内服の把握と変更時には特にPTの観察が必要です。
お天気や季節、PTへの接し方によりPTの状態が変わりやすいです。
介護施設
施設により要介護度がことなるため体制も変わります。
一般的には
- 食事介助
- 口腔ケア清拭
- 排泄介助
- 入浴介助
- バイタルチェック
など。
受け入れ先によりその他、胃瘻、腸ろうの処置と経過観察(チューブ交換は病院でします。)経管栄養、ストーマ、褥瘡や掻破部位の処置、インスリン投与、身体の変化や症状に伴い医師からの指示による採血や点滴などもあります。
いずれにしても看護助手さんと連携をとり協力し合うことが大切です。
オペ室
オペの内容や病院の規定により異なります。
病室でラインどりをして行く場合もありますし、緊急オペの場合は救急外来でラインどりや適切な処置後にオペ室搬送もあります。
オペ室でラインどりをする病院もあります。
ちなみにICU,HCUなどのユニットケアは採血は少ないです。
ですが、殆どのPTはオペ後、救急搬送処置後、病棟で急変したPTが多いので24時間のモニタリング業務になる為あらゆる器械や機材がPTに装着されてます。
- 人工呼吸器(気管チューブ、気管切開、ネーザル)
- 補助循環装置
- IVH
- 血液浄化装置
など。
ある程度の勤務経歴を持ち知識、観察力、判断力、向上心がある方に向いてます。
耳鼻科、眼科クリニック
採血は少なめです。
業務は診察介助やPTへの器具の使い方の説明が主です。
季節により繁忙期があり、アレルギー検査の希望をされるPTが多いです。
眼科では白内障のオペをするところもありオペ前の採血(感染症や全身状態)があります。
採血を少しずつ経験しながらスキルをあげたい方には
- プリセプター制度や働く人材にゆとりがある
- 直ぐに即戦力を求めないところ
- 失敗した時のフォローがある施設
これらが適してます。
ですので、一般的にはプリセプター制度や教育体制が整っているのは病院だと思います。
中小規模の病院はこのような内容が充実しており、いいかもしれません。
ただクリニックでも全くないわけではないですよ。
最近の求人もスキルがあるにこしたことはないのですが人柄重視が多いですよ。
人間関係による個人のマンパワーの低下や定着率の低さも否めませんからね〜
気付いたクリニックさんは既に働きかけをされてますよ。
あと看護師の復職を応援する、経験の浅い方対象に講習会や勉強会もありますよ。
(タイミングがあるので調べてみましょう。)
関連記事:看護師である私が気づかないうちにかかったうつ病、そして退職してからの話
新卒で採血に自信がないという前に自分の環境を見直す
私が指導させていただいた看護師さんは採血に自信がないという以前に
仕事全般に疲れていて「体調が悪く眠剤が離せない」というような気持ちが孤立してしまってる方が多かったです。
仕事のルーティンに身体が慣れてないんですね。
しかし神経過敏で身体は休めない。
新卒1〜2年の方が多かったです。
あとは復職で自信がないとおっしゃる看護師さんもいらっしゃいました。
私的に(新卒の方)はできたら、2年は頑張って欲しいとこです。踏ん張りどこでもあるんですよ。
この時期は看護師に限らず新社会人みなさま、踏ん張りどきです。
知人のアナウンサーも見事試験にパスして就職しましたが、一年は塞ぎ込んで泣いてばかりいましたよ。今は元気に指導者側にいますがテレビで拝見する度、彼女の貫禄に驚きます。
身体も慣れます。
大変な職場で辛い思いに堪え歯を食い縛り頑張ったことは必ず自分の経験値になります。
しかし、やはり身体が資本の業務、中には看護師を辞めたくなるほど思いつめてらっしゃる方もいますよね。
それなら、避けて通るのではなく、少し遅らせて自分のペースで歩んで行かれるのもよいかなと思います。
異動願いをだしたり、思い切って職場環境を変えたりして、またやりたくなったら再チャレンジすればいいんですよ。
「ちょっと休憩」
そんな気持ちで、人それぞれですから。
他の人にできて私にはできなかったと人と比べないこと、
それが大前提ですよ。
ちょっと休憩です。
今は採血スキルにフォーカスするのではなく、自分が人の役に立っていると思える心地いい職場に移動したり再就職することもいいと思います。
今後スキルの課題が残ってもいいじゃないですか、自分を安定させてからまたチャレンジすればいいんです。
職場環境の適応はとても大事です。適応していると学ぶことも楽しいですからね。
もしかしたら自分にあった現場で、その道を極めることになるかもしれないですよ。
自分を大切にしましょう。
求人誌を眺めていても出会いはないのですから、行動して情報収拾だけでもしてみるといいですよ。いろんな情報を得られますよ。
同じ悩みを持つ方に出会い気持ちが楽になることももありますよ。
看護師はこの選択肢の広さも強みなんですよね〜
採血だけで看護師の力量ははかれないし、何もそこで勝負することないんですよ〜
そう思いませんか?
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