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看護師である私が気づかないうちにかかったうつ病、そして退職してからの話

うつ病になりやすい職業に医療従事者があります。

看護師である私も例外ではなくその一人でした。

40代半ばといえば大人としても充分に成熟しています。

仕事もキャリアがあり安定している時期です。

 

しかし年齢やキャリアは関係なくうつ状態になることもあり、

これまで何十年もかけて築き上げてきたことが一変します。

   うつ病へ発展しやすい追い込み型の性格

 

私達の仕事は分担して協力しあわなければ、ミッションを遂行出来ません。

先ず仕事が回りません。

 

なので業務内容をスピーディに把握し仕事の割り振りを決め、

それをそれぞれのチームに伝えます。(これは特にチームリーダーが担う仕事です)

 

そして「何時までにここを終わらせると、ここに隙間時間を設けて

ここに当てることができる、ここがずれ込むと大変なことになる」

など常に内容を細かく分類し計算しながら考えて行動します。

 

うまくいった時の爽快感に浸る暇はなく、安堵感と同時に

また次の仕事に取り掛かっていかなくてはいけません。

 

問題はうまくいかなかった時です。

私はそういう時に猛烈に自分に憤りを感じます。

 

「何十年やっててコレかよ?何やってんのもう…!」そうやって自分を責めてしまいます。

そんな不甲斐なさを感じながら、それでも負の感情は無理矢理に切り離し

ロスタイムの修復に全力で取り組みます。

 

負の感情は直ぐに断ち切らないと次の業務に影響することも知っているので

その辺にモノを置いてくるイメージを持ちます。

 

気持ちを切り替えたら

「ここで挽回しないと間に合わないよ」と更に自分を追い込んでいきます。

 

そして自分の空き時間に「あの時できなかったのは何が問題だったのか?

どうすればうまくいったのか?次回はこうしてみよう」と自問自答します。

 

仕事で失敗してしまったら次回は「同じ局面で同じ失敗をしないこと」

一番大切だと思っています。

毎日この業務の繰り返しです。

 

あっという間に時間が過ぎては、時間が足りないと感じる毎日です。

 

職場では

  • スピード
  • 処理能力
  • 自問自答
  • イメトレ
  • 的確な判断力
  • 同じ失敗をしない

これらが必須であり、常に問われます。

 

この環境に追い込まれ、仕事にストレスを感じたり、時には自ら追い込んだりすることで

常にアドレナリンの分泌が促進された状態です。

 

夢中で仕事をしている時は疲れませんが

終わった途端にドドドッとのしかかるような疲れを感じるんですね。

 

患者さんからの激励に張り詰めた気持ちが消失し癒されたように感じます。

 

そこにやり甲斐を感じ、また頑張ってしまうのです。

 

常に人の役に立てている実感を持っていたい、そんな気持ちが頑張り過ぎる理由の一つ

でしょう。

 

だからこそ、看護師を始め医療従事者は日常に蓄積されるストレスに

気付かない傾向があります。

関連記事:看護師の3Kは汚い、きつい、危険!それでも私が仕事を続けられる理由。

 

過酷な業務の上に更にのしかかる人間関係

 

私は看護師として長年勤めていた現場を退職しました。

アッサリと。

 

いつも元気に明るく看護職を楽しんでいた私が退職することを、

理解しがたく驚く職員も結構いました。

勿論、自分自身が一番拍子抜けしました。

これまで苦楽を共にしてくれた仲間を沢山見送ってきて、

いつかは自分も見送られる側になると想像することがありましたから。

しかし自分の想像とは全く違う展開でした。

 

退職する10ヶ月前から不眠が続いてました。

原因は人間関係でした。 

 

原因となった人を思い出しては悔しくて腹が立って涙が出ます。

「なんでそんな酷いことができたのか?どういう心理状態での行動だったのか?」

考えてもわからず堂々巡りです。

 

その内そんなことばかりに囚われる自分に苛立ち、時間が過ぎることにまた苛立ち、

気持ちの切り替えに色んなことを試すのですが

相手に対する思いが深かっただけに思うようにいきませんでした。

 

「私はこの人と一生、友達であり仲間でいるだろう」と思っていたし、

お互いが歳を重ねた時を想像したり、頼りにしていた存在でした。

 

それだけに、一つ一つをどこから整理すればいいのかもわからないのです。

 

ココロがポッカリと浮いているような、何も入らない、まっ白な状態です。

 

そんな辛い状況でも毎日の仕事をこなさなくては回っていきません。

 

降りかかる職場の問題になかなか思うように向き合えなくなり、普段の思考力や

ポジティブさも全く発揮できなくなりました。

 

自分に折り合いをつけ早く処理してしまいたかったので何度と話し合いをしました。

時には感情が先にたち、一方的に怒鳴ってしまったこともありました。

しかし、私の「なんで?解らない。」は埋まりませんでした。

 

そのうち「もう長いこと頑張ったしこの辺で後輩にバトンタッチしてもいいんじゃないか」

「わたしがいなくても代わりは沢山いるし、職場は充分回っていくから大丈夫じゃない」

そんなふうに弱気になりあっさりと退職届を提出しました。

 

何度も上司に退職を留まるよう説得されましたが、私は全く動じませんでした。

この場から出来るだけ早く居なくなりたい気持ちしかなかったからです。

 

普段から常に気持ちはパンパンです。

気持ちの整理などできないまま、仕事を終わらることが医療現場では最優先です。

 

そこにさらに人間関係が大きくのしかかってくると、「どう対処したらいいのか?」

「この感情は何処かに置いておこう、また後で」とイメトレしてみても

仕事のようにはうまくいきません。

仕事を離れても思い出される嫌なことがたくさんあって、心が整理できません。

 

毎日顔を付き合わせ協力し合う仲間なのですから、「一旦ここに置いておいて、」

ということもできないのです。

関連記事:看護師2年目は体力もメンタルもきつ過ぎて一度は転職を考えてしまう

 

初めて受診したメンタルクリニック

 

退職してからも辛い日々を思い出しては更ににしんどくなり、不眠も続いていました。

 

いつもモヤモヤして悩んだり迷った時、周りに話せる人達はそれなりにいました。

 

しかし今回は言葉にできない複雑な感情をどのように伝えたらいいのかすら迷ってしまい

先に涙が出てくるので、やっぱり話すのは止めようと思い留めていました。

 

感情も毎日同じではなく定まらないので自分でも困ってしまいます。

 

ある方に勧められ、初めてメンタルクリニックを受診しました。

先生は落ち着いた表情と声で一つずつ聞いてこられました。

 

私を慰めることもなく励ますとこともなく静かに傾聴する感じです。

 

「私は看護師なんだ」とプライドが常にあり、

周りからもそれを意識させられることも多いのですが、

この時は私を知らない赤の他人だからこそ話せる不思議さをメンタルクリニックの先生に

感じました。

 

先生から「時間が解決することだと思うので、とりあえず睡眠導入剤とどうしても感情が

抑えられない時に飲むお薬を出しておくからちゃんと飲んでね」と内服の処方がありました。

 

この当時はまだ「薬なんて飲みたくない」と思っていました。

弱気になっている自分が嫌だったし、また職場環境が変われば立ち直れると勝算があったからです。

 

メンタルクリニックは想像と違いとても心が軽くなる場所で、

「もっと気楽な気持ちで行ってもいいとこだな、」と感じた程です。

メンタルクリニックは全くの他人に話を聞いてもらえるところ、

自分の感情のそのままを出せるところ

相手に気を使わないので、周りの人に頼るよりもとても話しやすいところでした。

辛い日々を過ごしてる方にお勧めしたいところです。

ストレスは身体の病気も引き起こす

 

メンタルクリニックで薬を処方されて、そんなの飲みたくない、と強がっていた私ですが

それも束の間で、受け入れざるを得ない状況になりました。

 

仕事中に胃酸がでて焼ける感じを自覚していたので胃カメラを受けました。

結果、ひどく逆流性食道炎が進んでおりバレット食道の診断を受けました。

 

2年前から不正出血も続いており検査をすると体癌を指摘されました。

とてもショックでした。

 

「こんなにストレスが身体に影響していたのか」と自覚したので、

「キチンと内服して身体を休めよう」と思いました。

必要ならオペも覚悟しました。

 

保険証が病院の物から医師国保に変わったことで看護師の枠を取り外せたことが

とても楽な気持ちに変わりました。

張り詰めた緊張感からしばらく離れよう、

しっかりしなくちゃと自分に言い聞かせるのをやめました。

「頑張れ、頑張れ」と自分を励ますのもやめました。

自分よりも恵まれない環境にいる人達がいるのにと

誰かと比べて、自分を追い込むこともやめました。

 

いくつかの病名がつくことで弱い自分を受け入れることができました。

「私はいま病気なんだから仕方ない」ちょっと休憩。

 

うつ病は精神的なものかもしれませんが、心と身体はやはり繋がっていて、

身体にもしっかり不調が出てくるものですね。

ちゃんと検診を受けてくださいね。

 

看護師の肩書きが外れた中で私が思った事

 

退職したことで看護師という肩書きが外れました。

そうなってから「自分に優しくしてあげよう」そう思いました。

職場は相手の痛みや辛さが解るから患者さんを最優先にしてしまうのだけど、

自分の気持ちにもしっかり余力を残して向き合おうと思いました。

 

そして、「私はいつでも私でいよう。」と思いました

 

看護師であり続けること、看護師で働き続けたいこと、

それが私自身だと思い込んでいたのではないかと気づきました。

また看護師をしたくなったら私らしく働ける職場環境を選ぼう。

私に負荷がかかる職場環境は無理だと認識しよう。

そう思いました。

先ず自分に合った職場環境を選ぶことが大切ですね。

関連記事:クリニックは採血が苦手な看護師が多い?下手でも働けるの?

 

あなただけではないですよ。

 

看護学生の時、冗談まじりで看護教員に質問したことがあります。

「先生、人を愛するって何ですかぁ〜」

先生は真面目に優しく答えてくださいました。

 

「許していくことです。」

 

当時は全く意味がわかりませんでしたが、歳を重ねるごとに時々思い出し理解できます。

 

相手を許すことで、自分もその苦しみから解放されるんですね。

 

私達看護師は、常に看護師である事を意識させられますが、その前に一人の人間です。

自分に優しくしてください、思いっきり笑ってください、

気持ちのある方向に自由にいってください。

心地いいと思える時間を楽しんでください。

 

最後に、こんなに長く読んで頂いて嬉しいです。有難うございます。

ですが同時に「あなたも今 辛いのですか?」と心配します。

 

でもあなただけではないですよ。

 

あなたはあなたらしく、先ずあなたに優しくしてあげてくださいね。

 

私は「看護師なので」「看護師だから」を取り払って

ゆっくりとできる時間を持つことで徐々に整理することができました。

 

有難いことに看護師は資格職ですし人手不足ですから

「働きたい」と思ったらまた働ける場所がたくさんあります。

 

少し自分におやすみをとってあげてからまた考えればいい事です。

 

一度離れてみる。ゆっくり休んでみる。

そんな時間が必要な時もあります。

 

やり甲斐を感じる仕事だから夢中になり、つい自分のことは後回しになりがちですが、

少し甘やかしてあげる時間をきちんととってくださいね。

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