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看護師の3Kは汚い、きつい、危険!それでも私が仕事を続けられる理由。

看護師3Kって私がよく看護学生時代に耳にしました。

この3K

  • 汚い
  • キツい
  • 危険

なんですが、今や6K9Kとありますね〜

まぁ確かにあると言えばありますね。

 

今回は私がこれまでの看護師歴で感じた3Kについて、掘り下げていきたいと思います。

たしかに3Kと言われるほど辛いことも多いけど、それでも私は30年以上この仕事を

続けています。

 

汚い仕事が多い

 

最初のKは「汚い」

 

看護師の仕事は汚いものが多い!

これ、わかります〜

 

私は学生時代に初めて経験した蓄尿のトータルチェックの臭いにはびっくりしました

卒業後も汚い業務はたくさん続きます。

  • 摘便
  • 褥瘡のガーゼ交換
  • オムツ交換
  • 膀胱洗浄
  • シーツ交換
  • バルーンカテーテル交換

イメージすると臭いを思い出せるほどです。

汚い仕事ってどうしてもありますよね。

 

「ぶっちゃけ嫌でしたよ〜」

 

とにかく臭い!嗅いだこともない臭いですから、今でも慣れたとは言えません。

 

表現は仕事だから割り切れるという感じです。

 

私は田舎は近くには養豚場、養鶏場もあったのでそれなりに割り切れたと思います。

 

学生時代は特に出来る仕事が看護助手さんとほぼ変わりませんから、

排泄物に関する仕事はしょうがないでしょといった感じですね〜

 

その時ご一緒していた看護助手さんも嫌だったみたいですよ。

「まったく〇〇さんたら私に排泄やらオムツ交換やらせて自分は他の仕事に

いくのよ〜やだ〜も〜」って言ってましたから。

他の助手さんのことを学生の私にぼやいてきましたから、

私も必然的に「みんな嫌でも頑張ってるんだ〜」と共感できたのかもしれません。

 

不思議なんですけど救急外来で見るにも恐ろしい光景を見ても

摘便が連続で続いても休憩に入るとパクパクモグモグ

「これ美味しいね〜」とご飯をみんなで食べてるものなんですよね〜

看護師のオンオフのスイッチというものですね。

実際に経験されている看護師さんにはわかるでしょう〜

 

キツい

 

続いてきついですが、私の場合この「きつい」は二つに分類されます。

  • 体力のキツさ
  • メンタルのキツさ

 

体力的にキツかった部分は、立ち仕事による脚の浮腫みによる

だるさと痛みの戦いでした。夕方には脚がパンパンで辛かったですね〜

 

あと学生時代はとにかく、眠いんです。

集中力が続くのもせいぜい午前中です。

お昼を食堂で済ませたらもう睡魔がやって来ます。

眠気覚ましにガムを噛んだりドリンク(眠眠打破)を利用しました。

 

そしてメンタルの方はもっとキツかったです。

 

仕事は何もかも初めての経験です。

仕事に時間がかかるし、要領も悪いし、言われた意味がわからないけど聞き返す間も

勇気も無く先輩方は走り去って行ってしまいます。

 

それに怒られる、けむたがられる、陰口叩かれる、仲良くしてもらえない。

 

気落ちして、「私が本当に看護師になれるのかな?なっていいのかな?」

「人の邪魔になってるけど役に立ってなんかないじゃん」

同僚からの妬みや嫌味。

 

キツい先輩は失敗すると大袈裟に大きな声を出して周りの関心を集めたりしました。

 

罵倒される毎日が続きました。

「あぁ社会に出るってキッツいな〜」

毎日クタクタになり寮に帰り、そう思ってました。

 

思っているうちにまた眠ってしまい朝が来て、重苦しい気持ちのまま用意をして

仕事に出かける、この繰り返しでした。

関連記事:看護師は色々な悪口が飛んでくる仕事。辞めたいと思ったこともあったけど…

 

危険な仕事もある…!

 

看護学生の頃はそんなに看護師の仕事で危険を感じたことはなかったです。

せいぜい季節的な流行りものが自分に移らないように、と気を使っていたくらいです。

  • インフルエンザ
  • 流行り目
  • 水いぼ

 

あとは手先に傷を作らないことを気をつけたくらいです。

傷口から感染してしまうこと仕事中はありますからね。

 

ですが、看護学校を卒業して独り立ちした時からが大変でした。

特に夜勤が月に7〜8回くらいあります。

準夜勤深夜勤の三交代だったので当時若くて常に眠かった私は、

朝の採血患者さんの針刺し事故が多かったです。

 

また慣れていない研修医の採血時のシリンジの渡し作業での針刺し事故にあったりと

辛すぎましたね〜

救急外来せんたーでライン取りと同時の採血時、感染者の血液サンプルの針刺しをした事も

あります。

 

「もう私の人生終わった…」と落胆する場面を沢山経験してきました。

 

そして何度もその都度、血液を絞り出しグロブリンを射ったり採血をしました。

今思うと注意散漫でドジっ子だったなと思います。

 

感染症のPTの針刺し事故は自分がミスしたことにより

一生付き合っていかなくてはいけないことになってしまったり、

それによって看護師の仕事が続けられなくなることもあります。

それを考えると看護師の仕事はかなり注意しなくてはいけない職種と言えます。

 

患者さんの生死に関わる仕事、というだけでなく

自分も常に危険な環境に身を置いていることを意識せずにはいられません。

 

3Kと言われる看護師を、私が続けられる理由

 

看護師3Kを書いて行くと嫌なことばかり、に思えますよねぇ。

 

でもそんな今でもこうして看護師を続けている理由は「好きだから」

「やり甲斐を感じてる」からだと思います。

看護師3Kに上回るものを感じるからなんです。

 

汚い仕事は暖かい気持ちに割り切れる

 

ず汚いKですがこれは仕方ないことだと割り切っています。

看護師になろうと思った時からわかっていることですし、

いつまでも臭っているわけではないですから。

 

卒業して沢山の看護業務をこなす様になるとそんな仕事も減ります。

のちに観察や記録の大切な意味が理解できる様になるので

気になることが臭いから関心に変わりますよ〜笑

 

そして学生の頃、右も左も分からない私が汚いことに自然に割り切れたのは

患者さんからの感謝の言葉、沢山の方からの励ましの言葉です。

「あなた、若いのに偉いわねぇ、ごめんなさいねぇこんなことまでさせて〜」

「偉いわね〜午前中働いてそのあと学校でお勉強してらしゃるの〜まぁ偉いこと、

身体壊さない様に頑張ってよ〜」

「ねぇねぇ学生さん、これこれ持ってって、後で食べなさい」とお菓子を渡して下さったこと。

…まだまだありますよ。

 

栄養士さんを中心にいろんな種類の食事を作り提供して下さったおばちゃん達は

、朝昼夕代わる代わる私のところにやってきて

「これ余ったから食べなさい、あなた若いんだから直ぐお腹空くでしょ?ダイエットとかし

たらダメよ〜」なんて具合でした。

この暖かいお気持ちに3kだけでなく割り切れることが多くある職業です。

 

身体がキツいのは皆おなじ

 

看護学生の時の労働のキツさのKは、同僚も同じで浮腫みの痛さにツライと言い、

生理中の対応が忙しく直ぐにできないと悩んでいました。

みんな悩んでいることはほぼ同じだったんですよね。

辛いのは私だけではないんだ、共感しすることが救いになるのだなと

気付いていきました。

 

これを読んでくださってるみなさんも同じじゃないでしょうか?

 

学生の頃は、看護師になる為に決められた当たり前のことを只々、

右も左もわからず必死でやってるだけ。

でも仕事だからやっている当たり前のことに感謝される職業なんです。

 

感謝の言葉を頂く度に、

「頑張ってスキルを上げて頼られる看護師さんになりたい」と

自然と気持ちが揺り動かされていったと思います。

 

メンタルは「切り替え」が大事

 

メンタルのキツさは資格を取りキャリアを積み上げて行く中で大きく変化しました。

病棟は患者さんが病気を治す為に集結され治療に専念するところです。

 

当然、完治され社会復帰できる方もいればそうでない方もいらっしゃいます。

 

患者さんの置かれた現状に「可哀想過ぎる、私だったらどうするんだろう?」と

そればかりが頭から離れず、時に耐えられず涙が出ることもありました。

直ぐ上の先輩ナースや同僚も例外ではありません。

 

さあこのメンタルにどう折り合いを着けられたのか?

それも患者さんからの温かいお言葉です。

 

「目の前のこの人に今、私は必要とされている、今私は何をするべきだろう?」と即座に考える使命感です。

 

泣き腫らした顔のまま、追われて仕事に向かう中、

私を見かけて心配して声をかけて気遣ってくださるご家族様や患者さんに

このままではいけないと気付かされます。

 

徐々に強く気持ちの切り替えができるようになりました。

 

イメージ的には「自分の気持ちを引き出しにしまってくる」

といったイメージです。気持ちを今は切り離すと言いた感じでしょうか?

 

あと余談ですが私は長く勤務するうちに管理職に近い立場になった事があります。

 

これがまたさらにキツかったんです。

適材適所ってあると思うんですが、私は人の上に立って指示をする立場よりも、

与えられた仕事の中で工夫して動く方が得意なほうだったんですよね。

 

しかし管理職になったらそうもいかないじゃないですか。

とても孤独です。周りの訴えは全て本心ではなくご機嫌取りに思います。

結果的に数年悩んだ末、現場に戻りたい事や適材適所ではないことを理由に

離れました。

頑張り続けることは経験となり自分んを大きく成長させたかもしれません。

しかし私は看護師は職種も選べますし、自分の性格に合わない働き方や

現場のスタッフを求められる場所だと感じたら

退職して新しい環境を探すのもアリかな、と思います。

 

これもまた気持ちの切り替えが大事ですね。

 

危険から自分の身を守ることを考える

 

危険のKは日常ですから切り離せません。

これはもう自分を守る手段を身につけるしかないです。

 

特に針刺しですね。

先ずは「いつどんな時に針刺しをしたのか?」を振り返りましょう。

 

➀ 私の場合は沢山の仕事が溜まっており、早くこの仕事を仕上げて

次の仕事に行こうとした焦りからでした。

➁ 次に身体が怠くて眠くて仕方ない時でした。

➂ 採り終えた血液サンプルを真空管に移し替えようとした時でした。

普段使う真空管での採血は厳しいと判断したPTの採血のため23Gに

シリンジをつけた状態で真空管に移す際の針刺しでした。←ありがちなやつです。

 

今思えば普段と違う状況なのでより一層注意しなくてはいけなかったのです。

結果的に大事には至らなかったですが、反省しました。

そしてこれらの怖さや失敗から対策を考えました。

 

私は気象病があり、気圧の変動する雨の降る前に頭痛が始まり

怠く眠くなる傾向があります。生理前も同様です。

 

なので自分の不調を感覚だけでなく、論理的に理解するために

毎日スマホで週間天気予報や時間毎の雨雲レーダーをチェックしています。

薬もいくつか試し、いくつかの頭痛の種類で薬を分けています。

 

雨が降る前、生理前はいつもより睡眠を取るようにしてます。

 

失敗を振り返り、自分を知ることでかなり改善できました。

 

あとは慣れてない研修医の先生も余裕がないので気をつけましょうね。

これは結構少なくない症例です。

 

事前に受け渡しの段取りを決めたり「先生、採られたらこちらにお願いします」

とお願いするのも対策だと思います。

 

ラインどりや挿管、IVH、血ガスなど先生方と緊迫した中でのチームワークは

黙って行われがちなので、状況を見て声を掛け合いましょう。

私は「先生、私のこと刺さないでよ〜」って言えるくらいの関係を築けました。

時間はかかりましたけど。

 

3Kなんてどうってことない

 

私は看護師という職業を選択してから自分の好きなところを

発見できました。

やっぱり人が好き、笑顔が好き、お世話する事が好き、一緒に考える事が好き。

こんな私を必要としてる。そう思えた時、自分の存在価値を感じますから。

 

そこに必要とする人たちがいるからこそ、それをやり甲斐に

今日も働くことができると思います。

 

今は体調管理ができるので学生の頃よりも元気で体力に自信があります。

人の死を「ただの恐怖」とも思わないです。

 

辛い事もあったのですが、それは看護師の職業に限られたことではないと思えます。

誰でも経験することではないでしょうか?

 

色々なことに悩み苦しみましたが、沢山の方々の温かい励ましや感謝されることで

看護師として成長できたと思います。

 

看護師は「誰かの役に立つ」ということが自分の喜びになります。

きっと3Kと言われる仕事も気にならなく仕事をしてると思います。

明日も笑顔で頑張っていきましょう!

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