看護師2年目はプリセプター期間が終わり、いよいよ独り立ちさせられる時期です。
私の2年目は他の看護師さんと全く同じ勤務で、日勤でチームリーダーもやりますし、夜勤も月に7〜8回入っている状態でした。
やってもやっても仕事に追われ、申し送りはいつも予定時間を押し終わるとグッタリでした。
怖くてキツイ先輩の「仕事が遅い!」という言葉に傷つき、不眠症になってしまって
体調不良や鬱になり、転職したくなったのも2年目のことです。
看護師2年目で私は胃潰瘍になりました
2年目になるといつも側にいてくれた先輩は別の後輩の指導にあたり、何となく寂しさを感じましたね。
仕事量は半端なく増え、「絶対この時間内には終わらない」と思いつつも早めに出勤し仕事に取り掛かるのですが、
迷っては手が止まり、怒られてはまた固まり、「正解がわからない」と思う事だらけでした。
先輩に聞きに行くのも怖かったし、申し訳なかったしで、「自分がどう動けばいいのか」ということがわからず情けなかったです。
そんな中でわたしが一番苦しんだのは先輩の「仕事が遅い!」という言葉と他人と比較して落ち込でしまう自分自身でした。
「私がこの患者さんを受け持つより、先輩の方が的確に判断できるし仕事も早い」
「あの人だったら、あの人の方が…私より上手に、私じゃなくて」
そんな風にいつも思ってしまいます。
しかし常に逃げ腰の自分の中には変なプライドも共存していました。
- 早く先輩に認められたい
- 二度も同じこと先輩に聞くなんてできない
- 同期に負けたくない
- 早くこなす仕事はクオリティが下がる
負のスパイラルにハマってしまい、気持ちの整理もできず、ついに食事が摂れなくなってしまいました。
空腹時に胃がシクシク痛み、胃カメラを苦しみながら受けました。
結果は胃潰瘍でした。
診断がついてから私は一週間程、療養することになりました。
胃潰瘍になってしまった私のことを知って、普段怖い先輩が心配してわざわざ寮に来てくれました。嬉しかったです。
「元気そうじゃん、胃潰瘍くらいなら薬飲みながら仕事できるけどね、よかったね休めて、ゆっくり休んで早く復帰して」
相変わらず言い方はキッツい先輩なんですが、
この時私の中で「あれ?私のこと嫌っていたんじゃないんだ」と思い楽になりました。
早く身体を治して現場復帰しようと思いました。
療養中、時計を見てはタイムテーブルを思い出し「今申し送りだな〜」「配膳の時間か〜」と仕事のことばかり考えていました。
そして自分とも向き合う時間が出来ました。
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できない事を明確にしたら成長できた
自分の問題点に向き合うために、何が嫌なのか?をノートに書き出してみました。
私はよく物事に整理がつかない時ノートに書き出します。
- イヤ
- 嫌い
- 不安
- 怖い
- 辛い
といった負の感情を全部ノートに書いていきます。
何ができないのか?どんな時にできないのか?こんな時はどうしたらいいのか?
一日のタイムテーブルで自分がこの中でやれること、自信がないところを把握して更に細かくメモを作りました。
そして自分一人で考えても解決できないところを先輩に伝えることにしました。
先輩に頭を下げて
「情けないんですが、ここがやっぱり出来なくて悩んでます、もう一回教えてください。」
そう言ってお願いしました。
先輩はビックリしてました。正直、ガッカリした表情でした。
それでもめげずに、一つずつわからないところを聞いてはしっかりメモを取りました。
現場復帰して直ぐにできる様にはなりませんが、自分のできないこを明確にし
さらに自分一人で解決できないと思ったものは先輩に聞いて改善をしていくことによって、手応えを感じられる様になりました。
夢中で仕事に没頭し少しずつ、少しずつできる様になり心のモヤモヤも解消されていきました。
先輩に伝えたことで先輩もちゃんと教えたことができているか見にきてくれる様になりました。
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看護師2年目に転職をしなくてよかったと思えること
今だから言えることですが2年目のスランプで転職しなくてよかったと思うことがあります。
それは看護師は何処に異動しても経験値を見られるからです。
「この人はどんな科目に配属され、どの分野で経験をつんだ経歴があるのか?人材として即戦力になのか?」
ということを見られることを知ったからです。
看護師の求人誌を見るとそれがよくわかります。
- 新卒不可
- 経験三年以上が好ましい
- 即戦力になる方
- 経験により優遇致します
もしあの時、辞めていたら、
- 「私は病棟で頑張れなかった人」
- 「直ぐ辞めるかもしれない」
- 「即戦力にならない」
と判断されたと思います。
そしてどこでも付き物なんですが、キツイ人、相性が合わない人はいると思います。
私に仕事を教えてくださった先輩も私と相性が良かったとは言えません。
ですが先輩のお陰でできることもたくさん増えました。
相手との距離感の詰め方や苦手な人でも角度を変えて見る様にすると学ぶところが沢山あったり、教えてもらえたり、今でもそれがとても役にたってます。
どこに行っても人間関係は問題に上がります。
自分自身が周りの人との関わり方を工夫すると随分楽になりますよ。
仕事に正解がないことも学びました。
だからこそ毎日の業務を大切に経験をつんで行くことの大切さも。
看護師2年目で迷っているあなたへ、転職を考える前に
悩んでいると体にも変化が起きるものです。
体調がすぐれない時は早めに診てもらいましょう。
身体を悪くしては仕事を続けることは出来ませんから。
また、転職をする前に
- 問題点を書き出しそれを細かくメモする
- 先輩に伝える
- 頭で仕事のイメージを持ち実践する
- 帰って今日1日を振り返り、良かった点、出来なかった点に向き合う
これらのことをやってみてください。
私は沢山失敗しました。恥ずかしいことも勿論あります。でも今はそれが財産です。
私の失敗談を話すことで後輩を笑顔にできますから。
色んな経験をさせてもらった方が断然これからに繁栄されるのでお得だと今は思います。
今は辛い時期かもしれません。でも貴方だけじゃないです。
みんな同じ経験を持つ同士です。
私たちの仕事は孤独でもないし個人でもないですよ。
ただし、上記のことはすでにトライしてみていて「本当に自分はこれ以上この環境で頑張れない」と思うのであれば
転職を視野に入れてもいいと思います。
働く環境によって仕事内容は全く違うのが看護師ですし、資格職ですから
2年目で辞めた、ということが多少のマイナスポイントになっても、若ければ転職先はいくらでも見つかるでしょう。
本当に精神的にも身体的にも参ってしまって看護師という仕事を続けられなくなったり、そもそも働く、ということにすら恐怖を感じるようになってしまっては
それこそもったいないですからね。
自分ではどんなに頑張ってもどうしようもない環境、というのはあるものです。
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