人間関係

看護師10年目、指導する側とされる側の心理

看護師10年目になると一度は指導するという立場になりますね。

また当然はたらく職場が変われば仕事を教わる(指導される側)になるわけです。

看護師の指導する側とされる側を繰り返し看護歴35年の経験から呟いてみました。

指導側の心理の中に

指導側にも指導経験の有無や経験年数によってアプローチに差があることは否めません。

指導の過程でプレッシャーや焦りから余裕がなくなりいっぱいいっぱいになり情緒不安定になってしまうこともあります。

だいたい指導する側の心理には以下があります。

  • 嫌われたくない
  • 良い先輩として認められていたい
  • 相手の到達度が自分の力量で評価につながる→上部に認められたい
  • 有給をとりやすくなる、激務の軽減、長期休暇の可能性、勤務調整

詳しく説明します。

 

まず人から嫌われたいと思っている人は殆どいません。特に日本人の気質はそうです。

先輩のおかげで、先輩がいたから、教え方が上手などと良く評価されたい自分が必ずいます。

しかし指導にあたるうち度重なる同じ質問や、予想不可能な反応と行動に

「 アレ?わたしのとき(教わった時)と反応がちがう… 」

そう感じ始め知らず知らずに自分が指導された時を思い出しあの頃の自分と相手を比べだすのです。

普通はこう考えこうするべきじゃないか?わたしだったらこうしてたけどな〜と

自分と違う相手のリアクションに戸惑いを感じ悩みだし、どうしたらわかってもらえるの?と不満がでてきます。

相手の細かなミスを周囲から指摘をされると自分の指導不足と感じてきます。

まるでわたしがミスしたみたいに感じ、つい「だから言ったじゃな〜い」

「さっきもおしえたじゃん!」

そんな言葉がでています。

相手が成熟することで引き継ぎが完了すれば、勤務の調整に幅ができ業務内容の軽減、

有給のとりやすさ、長期休暇が必要になったとき対応が可能かもしれない。

自分に何かあっても変わりがいると安堵する感覚、かわりがいれば退職もしやすい。

(これは人員に余裕がない個人クリニックで多く感じることがあります。)

いろんな期待と同時に「早く覚えて!」と焦りもよぎります。

仕事の定着が遅いと感じた相手に、期待が焦りとなり相手にプレッシャーを感じさせることになります。

わたしが指導するなんておこがましいと思いつつ、言いつつも内面はウラハラなのです。

初めて指導する立場になった時は初心者です。指導しながら経験値が備わり相手を見極めて指導できるようになります。

相手を変えようなんておこがましさも消え自分のときと比べたりしなくなります。

相手は自分とまったく違う人間と理解するといいですよ。

しかしほとんどの人はいっぱいいっぱいになり指導することを諦めてしまうか、重く捉え

なやみ苦しみ余裕がなくなります。

いつもの自分で居られなくなります。

フレッシュな新人さんが可愛く思えたはずなのにそうでなくなり、普段考えないようなことまで考えていくのです。

「この子に(自分の)マウントとられるのでは?」

「もう先生ったらあの子には怒らないじゃない、わたしばかりが怒る役目で姑みたい!嫌な役目!」

「わたしへのフォローや労りの言葉はないの?」

だんだん不満が湧いてきて溜まってきます。

そしていつもと対応を変えたら(相手が)もっとおぼえるのでは?どうでるか?など

相手を試す行動に出ていき更なる悪循環をひきおこし関係性が崩れます。

いつもと違う対応に(上司がいきなり冷たい態度に豹変したら)先方はたまったもんじゃありません。

恐ろしくて声かけもできず萎縮してしまい生産性がなくなります。

指導にあたり経験がないと自分中心のモノの見方、考え方に偏りがちですね。

相手は全く自分と違うひと。自分の時と相手を比べて判断しない。期間を決めずどっしり構えて対応しましょう。

教わる側の心理

続いて反対の教わる側の真理です。

わたしも早く仕事を覚えて即戦力になりたい、そう思っていました。

心理は以下です。

  • 早く即戦力になり周りに認められたい
  • 一度教わったらその場で理解しなければ(出来の悪い人と思われたくない)
  • 集中すること→力みすぎ

職場を変わるとまた一からのスタートになります。

何度か職場を変わっていますからおそわる側の気持ちも経験しています。

そんな中、教わる相手との相性も(性格の好み)あるし教えが下手くそな人もいます。

全く指導にやるきが感じられず指導者ではないと思う人もいました。

こんな時はもう話しやすい看護師さんを見つけては聞き業務の流れを把握しました。

同じ診療科に再就職しても環境は違い、やり方も違いそこの細かなルールも入ってくる為

思ったほど仕事ができず戸惑います。

「そんなルールどうでもいいじゃん!」と思えてくることがあります。

毎日、仕事を共にするうち相手の感情の起伏がよめるようになり、

「今日は機嫌がよいのか?」

「こうなると機嫌が悪くなる」などわかり始めます。

「昨日はこう言ったのに今日は違う」質問の答えが曖昧で逆にわからなくなる…

緊張する中、「こんなひとに教わるなんて」と馬鹿馬鹿しくなる時もあります。

しかしこの人に教わり仕事をおぼえる仕組みです。

この人を通らなければ仕事が身につかないのです。

 

相手も完璧な人間ではないことを理解しよう。焦らず自分のペースでやりましょう。

覚えられない時は指導側に自分は覚えが悪く時間がかかるかもしれないことを伝えた上で

きちんと努力することを伝えましょう。

指導するがわもされる側も同じ人間です、人のすることですから様々な感情の移り変わりに悩まされます。

年齢に関係なくイメージとして四角の容器に丸が入ると隙間ができなんとなく気持ち悪い、

四角には四角を入れるべき(こうあるべきこうしなくては)と考えるような几帳面な性格の

方に悩む方が多いようです。

しかし人がすることです。

必ず感情があります。

そして間違えます。

間違いが経験となり備わってきます。

指導する側も教わる側も焦らずいきましょう♪